エベレスト登頂することを決意するに至るまでの話③

自分はADHDかもしれない、と思い私は精神科に行き、医師に相談しました。

まずは身体的な原因を排除するため、血液検査や心電図などの検査を行いました。

結果は、特に異常はありませんでした。

 

 

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IQテスト「ウェイススリー(WAIS-Ⅲ)」を受けた

後日、身体的な異常がないことを確認した医師は、得意なことと苦手なことを見極める心理テストをしましょう、と切り出しました。

臨床心理士による「ウェイススリー(WAIS-Ⅲ)」と呼ばれる知能検査の一種で、いわゆる「IQ」を検査するテストを受けました。

 

「ウェイススリー(WAIS-Ⅲ)」ってなに?

そもそも「ウェイススリー(WAIS-Ⅲ)」とは何なのか?ご存知ない方が多いと思います。

まずは基本的な情報。

◎ウェイススリー(WAIS-Ⅲ)基本情報

・適用範囲: 16歳 ~ 89歳
・受検条件: 公的病院の場合は医師の推薦が必要
・実施時間: 60分 ~ 95分
・結果が出るまでの時間: 1週間程度
・実施機関: 医療機関(精神科)、大学の相談室、民間のカウンセリングルームなど
・実施する人: 日本文化科学社の定める使用者レベルに適合する専門家
・検査費用: 1350円~2万
・保険適用の可否: 保険適用あり

総合病院など公的病院で検査を受ける場合は、保険内診療となります。その際は、診療報酬点数が450点となり、規定に基づき、自己負担額が3割の場合、負担費用は1350円となります。診断書もしくは報告書を書いてもらう場合には、別途料金がかかります。こちらの料金は病院ごとに異なりますので、近くの病院に問い合わせてみてください。

出典:WAIS・WISCとは?ウェクスラー式知能検査の特徴、種類、受診方法、活用方法のまとめ【LITALICO発達ナビ】

 

 こちらの方のブログも参考に。

www.yomocracy.com

 「IQ」とは、「同世代の集団においてどの程度の発達レベルか」を表した数値です。平均値=「IQ100」と決まっています。同世代平均に比べて点数が高ければIQが100以上、平均より低ければIQ100以下、という数字になります。 

 なぜWAIS-Ⅲを受けるの?

このテストを受けることにより、「どんなことが得意でどんなことが苦手なのか」がわかるようになります。成人向け知能検査であるWAIS-Ⅲは、全検査IQ、言語性IQ、動作性IQという3つのIQのほか、言語理解(VC)、知覚統合(PO)、作動記憶(WM)、処理速度(PS)という4つの群指数を測ることができます。これによって、知能のより多面的な把握や解釈が可能となります。

発達障害の特徴として、一般的に「得意なことと苦手なことの差が大きい」場合が多いため、WAIS-Ⅲの結果が凸凹を調べるヒントになるということなのです。

そのため、IQが高ければ良くて、低ければ悪い、というようなことではありません。

 

テストにどれぐらいの時間と費用ががかかるの?

WAIS-Ⅲは、臨床心理士が試験監督となり、原則1:1で、心理士さんからの質問に口頭や筆記で答えていきます。

態度や受け答えの早さなども見られているそうなので、自分の凸凹を知るためには、その辺りも肩の力を抜いて気負わずに素の自分の様子を見ていただくのがいいかもしれません。所要時間は多くの人が休憩含めて約2時間程度です。

費用は私の場合、保険適用で3,500円くらいでした。

結果が出るまでにどれぐらいの日数がかかるの?

試験の結果は試験から約2週間から1ヶ月程度かかる場合が多いようです。なので気長に待ちましょう!!

下位検査項目=検査内容

検査では、通常16種類のテストを受けます。

これを「下位検査項目」と呼び、または「下位検査項目」と呼びます。

・項目名:試験の内容 主な能力の内容
・単語 :単語の意味を答える 知識力、言語発達水準
・類似 :二種類の言葉の類似点を答える カテゴリー分けの思考力、説明力
・知識 :一般知識について説明する 一般知識力
・理解:日常生活のルールや常識について説明する 知識や経験を実践に活かせる力
・算数 :小学校高学年の算数の問題を暗算で解く 計算力
・数唱 :耳で聞いた数字をルールに則り復唱する 聴覚的な短期記憶力
・語音 :耳で聞いた数字や五十音をルールに則り復唱する 五十音、数字の順を整理する力
・配列 :イラストをストーリー順に並べかえる 結果を予測する力、時間的順序の理解力
・絵画 :一部が欠けたイラストを見せられ、足りない部分を指摘する 視覚刺激に反応する力、長期記憶力
・積木 :積木を見本通りに並べる 全体を部分に分解し、再構築する力。非言語的な概念を形成する力
・行列 :一部が空欄の図に、当てはまるパーツを探して当てはめる 類似点を探し出して推測する力
・記号 :見本の記号を、問題文の中から見つける 視覚的探索の速さ
・符号 :簡単な記号を見本通りに書き写す 指示に従う力。事務処理速度、視覚的短期記憶力
・組合せ :パズルを組み合わせて見本と同じ形を作る 思考の柔軟性、部分間の関係を予測する力

 

当日はこの16種類のテストを受けることになります。

回答内容や所要時間から心理士の先生が得点を計算し、それぞれに1~19点の点数がつけられます。

 IQ70以下が「知的障害」の判定基準の1つとなり、逆にIQ130以上も支援が必要になる場合があるそうです。

出典:WAIS-Ⅲとは?(1) - 成人ADHDが理想の生活を目指すブログ

私の検査結果

検査から3週間後、検査結果が主治医から伝えられました。

その検査がこちら。

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「IQ/ 群像数」を見てみると、「言語理解」が突出して高く、その他の「動作性IQ」「知覚統合」「処理速度」などの項目が低いのが見てとれます。これを棒グラフにするともっと分かりやすいのですが、このようにIQを構成する各要素の山と谷が大きいことなどが診断時に重視されます。

これまで私が味わってきた"生きづらさ"の根源がこれだど分かり、「もう自分自身を責めたりしなくていいんだ」と思いました。

処方せん  コンサータを服用

主治医は、集中力を高める薬を飲んで仕事のミスを減らすことにつなげることを目的に、ADHDの処方せんとしてメジャーな薬であるコンサータを私に処方しました。現在、日本ではこのコンサータの他に「ストラテラ」のふたつだけでしたが、2017年5月には「インチュニブ」も追加され、現在は3つの薬がADHDに処方できるようになったそうです。

コンサータの効果は?

コンサータは「メチルフェニデート塩酸塩」という成分の入った薬の販売名です。ADHDのある人に処方される飲み薬で、ADHDが原因であらわれる不注意、多動性、衝動性を改善させる効果があるんだとか。

日本国内ではコンサータ精神科医の誰でも処方できるわけではなく、認定された登録医しか処方できないことになっています。

h-navi.jp

 

ADHDを受け入れて生きる

かくして、ADHDと手をつないで生きる人生がはじまりました。

臨床心理士さんが検査結果の紙に書いてあったことは、結果に良し悪しがあるわけではなく、自分自身の得手不得手を明らかにして、自分自身を見つめなおすきっかけにしてほしいといった趣旨のコメントがありました。また、この数値だけで私という人間の価値すべてを表しているわけではない、とも書いてありました。

私は落ち込むことはありませんでした。

なぜなら前述したように、これまで生きてきて、苦い思いとともに味わってきた"生きづらさ"の原因が特定され、「あぁ、そうか。これからは自分自身を責めたりしなくていいんだ」と、自分自身を受け入れることができたからです。

なにより励みになったのは妻が私に言った言葉でした。

「たとえあなたがADHDだとしても、あなたはあなただもんね」

この一言が本当に嬉しく思いました。本当に一緒になってよかったって思いました。

ADHDは薬で改善することはありますが完全に治るものではありません。長い付き合いになりますが、今はADHDの自分なりの強みを生かして生きていきたいと思っているこの頃です。